【OW2】迷ったら、ピックチェンジした方がいい
OWの特徴の一つが、試合中にヒーローを替えられることです。
このことにより、お互いのチームがピックするヒーローを替えながら相性有利を取りあう、という駆け引きが生まれます。
今回はピックチェンジの重要性について、特にチームの心理的な側面から書きたいと思います。なお、前提として、野良のライバルプレイ(ランクマッチ)を想定しています。
♢迷ったらピックチェンジすべき
ピックチェンジが重要だということは、OWにヒーローごとの相性がある以上当然のことかもしれない。
しかし、実際のゲーム中には「相手がそんなに上手くなくてもアンチピックを出すべきか?」「上手く使える自信がないヒーローにでもピックを替えるべきか?」という疑問を持つことがある。
この記事の結論は、迷うならピックチェンジして相手に対するアンチピックを出した方がいい、ということ。
替えなくていいのは、ピックを替えなくても勝てるという絶対の自信があるときだけ。仮に相性不利な組み合わせがあってもこちらが何度もチームキルを取るなどして圧勝しているならピックチェンジの必要はない。(そもそもピックを替えようとも思わないはず)
例えば相手にファラがいて、自分がゲンジやリーパーを使っている場合。
一般的には、空を飛ぶ能力を持つファラに対し、攻撃手段が近距離に特化しているゲンジやリーパーは相性不利。
相手 vs 自分 or 不利
相性有利を取るためにはキャスディにピックを変えた方がよい。
相手 vs 自分 有利
しかし相手ファラがあまり上手くない時もキャスディに替えるべきか?
上手くない vs or 不利?
あるいは自分がキャスディを上手く使える自信がない時も替えるべきか?
vs 自信がない 有利?
→ 迷うなら、キャスディに替えるべき
♢なぜ迷うのか
上記のような場面で、そもそもなぜ迷うのかを考えたい。
まず、相性不利な組み合わせがあっても、チームとして勝つ戦術はある。
チームの他のメンバーがすでにアンチピックを出している場合、自分が不利な相手は味方に任せて、自分は有利な相手に集中すればいい。
あるいは、自分のヒーローと相性が悪いヒーローが相手に1人いたとしても、その他の相手を先に倒してしまえばいい。チームとしての人数有利を作ることができれば、多少の相性不利は簡単に覆せる。
しかし、ピックを替えた方がいいか迷う場面では、上のような戦術が機能していない場合が多いはず。
味方にアンチピックが1人いるのに自分の不利な相手が割と自由に動けてしまっていたり、自分が苦手な相手を無視して他の敵に攻撃しているのに味方とフォーカスが合わなかったり。
こういう場合に、自分もピックチェンジした方がいいのかと迷ったら、するべきというのが今回の主旨。
上手くいかないのは、味方と考え方がすれ違ってしまっている場合が多く、そこでピックを替えるとチームとしてうまく機能し始める可能性が高い。
それでもピックチェンジすべきか迷うのは、その方法が上手くいっていないから。
多くの場合、味方は別の考え方をしている。
味方にソルジャーがいる場合、ソルジャーにファラを任せて自分は他のDPSやサポートを倒してしまえばいいはず。でも、味方のアナがファラに倒されている…
相手 vs 味方 有利なはずだが…
味方(こっちの or がファラに何もできないからソルジャーだけでは抑えきれなくてファラが暴れてる…)
ファラは倒せないから、相手のもう1人のDPSに近距離戦を仕掛けて先に倒してしまいたい。でも、味方のアナがヒールしてくれない…
相手 vs 自分 or 勝てそうなのに…
味方(こっちの or が相手のソジョーンばっかり見てるから自分が少しでもファラを見ないと…)
気を付けたいのは、味方のアナの考え方も間違っていないということ。ただ、自分と違う方向で考えてしまっているというだけ。それなのに、お互いの信頼は崩れていく。
こういう場合、キャスディに替えるとアナとの考え方が合う。
相手 vs 自分に変更
味方(こっちの or が、に替えてくれた!一緒にファラを倒せばいいんだ!)
これで、相手のファラがあまり上手くないなら高確率で人数有利が作れるし、自分のキャスディに自信がなくても味方のフォローが厚いので勝てる可能性が高くなる。チームとしての信頼関係も強くなる。
♢ピックチェンジがチームをひとつにする
なぜピックチェンジするとチームが機能し始めるのか。
それは、相性有利なピックがあると、チームは自然と有利を生かす方向性にまとまっていくから。
先述のように、相性不利な組み合わせがあったとしても、チームとして勝つ方法はいくつかある。
しかし、いくつかあるということはチームとして判断する必要があるということ。そもそも不利な組み合わせがある上に、一人一人の判断が食い違うリスクも多分にあるため、チームとして機能するのは難しい。
一方で、相性有利な組み合わせがあると、チームは自然とその有利を生かす方向でまとまり始める。まず有利を取れている相手にフォーカスしてワンピックを取り人数有利を作るというシンプルな戦術でチームが機能しやすい。
重要なポイントは、ピックチェンジによってチームの方向性を示すことができるということ。
実際の試合では、5vs5のチーム戦である以上、部分的には相性不利でもチーム全体のヒーローを見ると有利な相手も不利な相手もいるという場合も多い。しかしそれでフォーカスが合わないなら、ピックを替えることで相手のどのヒーローを狙いたいかという意思表示ができる。
一度意思疎通できると、チームの一体感が生まれその後のチームワークが良くなるということは多いはず。仮にピック変更自体が刺さらなくても、チームのコミュニケーションの幅は広がる可能性が高い。
♢ヒーローにこだわりがあるとしても
1人のヒーローだけを使い続けるOTPも、一つの道ではある。OTPまでいかないとしても、何人かの得意なヒーロー以外はあまり使いたくないとか、練習したいヒーローがいるなどの理由でピックチェンジに消極的な気持ちがある人はいるはず。
それでも、勝ちたいならピックチェンジをしてみるべき。
相手も基本的に、試合の最初にピックしているヒーローは得意あるいは刺さりそうというあることで使いたいと思っているヒーロー。先にこちらがアンチピックを出すことで、こちらは先手を取れ、相手にさらにピックを変更するかという判断を強いることができる。
これもチームとしては心理的な優位につながる。もし相手もヒーローを替えてきたら、そこで自分はまた使いたいヒーローに戻してもいい。先にアンチピックを出したという実績があれば、その後ピックを戻したとしても味方は「この人はこのヒーローが使いたいんだな」と理解してくれ、自分に合わせた動きをしてくれる可能性は上がる。
どうしてもピックを変更しないなら、味方を当てにしてはいけない。ピックチェンジは非常に大きなコミュニケーションの手段でもある。それをしないということは、極端に言うと味方から理解してもらう可能性を自ら消しているということになる。
相手に自分のアンチピックがいる場合、自分は「苦手な相手を無視して得意な相手から倒せばいい」と考えていても味方が「その苦手な相手を他のメンバーで対応しなきゃ」と考えてしまっているなど、複数の戦術が考えられるためにチームの方向性が定まらないことが多い。結果、チームの信頼も得にくい。
自分がピックチェンジして相手のアンチピックを出した場合、そのアンチ対象に自分チームのフォーカスが自然と集まりチームの方向性が定まりやすい。結果、相手にはプレッシャーをかけられ、こちらのチームの信頼感が高まりやすい。
ピックチェンジはチームに対する重要な意思表示になり、相手に対して先にアンチピックを出すことでチームとしての心理的アドバンテージを得られることが多い。味方に対する実績を作ることで、最終的に自分の使いたいヒーローに戻してもチームの理解を得やすい。
ピックチェンジした方がいいかも、と迷うのは「このままでは勝てなさそう」というときのはず。それなら、以上のような理由から積極的にピックチェンジした方がいい。
ピックチェンジしないで勝ち続けるのは修羅の道。味方を当てにせず、ひたすらキャリーするしかない。